図書館開放にむけて、就学前の子どもたちにも楽しんでもらえる絵本を買っていただけることになった。8億円もの謎のディスカウントさえ、誰もきちんと説明出来ないようなアカウンタビリタィーがゼロの国だが、公費というのものは、額に関わらず、本当は丁寧に使わないといけないものなのだ。
私はカタログでタイトルと表紙の絵だけみてチャチャッと決められるほど想像力がたくましくないので、現物を手にとって子ども用の椅子に座って読みに行った。1時間以上、園児の気持ちになっていっぱい絵本を読んだ。
長新太さんのシリーズが圧倒的に面白かった。その独特の色づかいや線に惹かれる。「あ、この人、マチスが好きなんや!」と発見。それに気づくと、ことばにはしにくいけど、メチャクチャに見える絵や展開が極めて整然とした秩序の元に計算されていることが確認できた。(もちろん直感的なものでしょうけど・・・)
同じ作家の複数の作品を見ていると、いくつかのこだわりが見えて来る。いやあ、絵本って楽しいなあ。
心の中に自分の世界をしっかり持っていれば、簡単に右や左の偏った考えに惑わされたり、自分だけ得する大損話にひっかかったりしないものだ。
インターネットの時代だからこそ、小さい頃から、たくさんのよい本と出会って欲しい。本には、ちゃんと重さや大きさがある。それを両手で持って次のページを開いて読み進むのだ。そんな本というブツを手がかりに、子どもは世界への窓を開いていくのだと思う。