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土俵


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先の大相撲大阪場所で、怪我を押して強行出場し、見事に逆転優勝を果たした稀勢の里。キャラクターとストーリーが見事に絡んで、後に語り継がれるような名勝負が生まれた。私も久しぶりにTVの前でスタンディング・オベーションを送った。

しかし、敗者あっての勝者である。同じく膝の痛みを押して最後まで1敗を守って千秋楽を迎えた照の富士への思いやりも必要だと思う。稀勢の里の左腕と同じ程度に照の富士の膝のことも気にかけてやって欲しい。

残念ながら、視聴者の目には、照の富士が大関復帰をかけた琴奨菊との一番で体をかわして勝ちにこだわったことが、敗色濃厚のリスクを負って出場し、大方の予想通り力なく破れた稀勢の里と対照的に映り、それが逆転優勝への皮肉な演出となってしまった。

モンゴル出身力士が土俵を席巻する期間がずいぶん続いた。久しぶりの日本人横綱ということも後押しして、稀勢の里への期待と人気はさらに高まってきたことも事実だ。しかし、こんな感動的な勝負の裏側で、「国籍がどうだ、こうだ」と言うのは、本当に残念なことだ。ちなみに私は激しいバッシングを受ける中でも朝青龍を擁護する立場だった。品格にかける横綱ランキング・ナンバーワンは日本人の北尾である。

やりにくい勝負ではあったが、先輩横綱として退けた鶴竜も立派だった。この時点で、やはり無理と判断して1日休場は十分あり得たが、それさえ拒んで、いよいよ迎えた千秋楽。稀勢の里が優勝するためには、2番勝たなければばらない。稀勢の里を心から応援する人たちでさえ、それはほぼ起こりえないことだと考えたはずである。

稀勢の里を応援する応援する妻を前に、「明日も負けに出て来るかな・・・」と言うと、「そういう言い方はせんといて」と叱られた。「自分を見に来るお客さんの期待に応え、たとえ負けても全力を尽くす自分を見てもらいたい」と考える横綱としての責任感や誇りは理解できるが、無理をして怪我の状態を悪化させて欲しくないと思っての発言だったのだが、確かに言い方はよくなかった。

今回の稀勢の里の優勝は本当に感動したし、土俵にかける意気込みは実にすばらしいと思う。しかし、これをきっかけに強行出場が過剰に讃えられては困る。応援というのは、いつも無責任で残酷なものだ。敗者への思いやりのない、その場限りの自分の興奮の為の応援は、見ているとキツい。薄っぺらなナショナリズムも、民族問題も、同じく土俵にあげて欲しくない。
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by lastsalt | 2017-03-28 19:19 | Comments(0)