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閉校式


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20代の青年教師時代に勤務した都祁小学校の閉校式に、功労者としてのお招きを受け参加させていただいた。奈良市との合併以前は、村費講師などで複式解消をしながら統廃合に抵抗し続けてきたものの、少子化に歯止めがかからず、ついに今日この日をもって118年の歴史を閉じたのである。4月からは、他の3校と合併して生まれ変わる。

私の現任校では、明日に卒業式に備え午後からまだ少し会場の準備が残っている状況なので、現職の職員が他校の式典に参加するのは、やはりきちんとした断りがいる。校長先生にお許しを願い、年休をとって朝の打ち合わせで全職員にお詫びのことばとともに了解をいただいた上での出席だった。受付に間に合うギリギリの時間まで6年生の教室の掃除をしていたので、昼食をとる時間はなかった。たぶんこの程度のことでも、多くの人にとってはとても面倒くさいのだと思う。

人生は、日々の様々な選択の積み重ねだ。ひとりの人間に与えられた時間やエネルギーは限られている。それをどこにどんな風に使うかを、意識的に、または無意識に、選び続けているのだ。ある事を選べば、ある事を拒まねばならないこともある。欲張りな私も同時にふたつの場所にはいられない。従って時には勇気も労力もいる。そんな価値の交換によって、自分の人生を彩り、私は「何を大切にし、何に価値を見出すのか」を周囲にも示すことになるのだと思っている。結論から言うと、私と同じような選択をしていた人は少なかった。別に私の選択がより正しいと思っているわけではない。私の選択は私にとって相応しいというだけのものだ。

20代の私はフルタイムのミュージシャンになるべく、音源制作に没頭していた。仕事と趣味とのバランスをとれずに苦しんでいた時代でもあった。旧い体質が残る村の学校で教員として要求される資質も、私の現実とはかけ離れており、毎日「明日こそ校長の机を蹴飛ばして辞めてやろう」と決意して、眠った夜もけっこうあった。決していい思い出ばかりではない。

柄にもなく文部省指定の指定研究などをさせられ、やむなくその時書いたテキストのひとつが新年度には教科に格上げされる道徳の教科書にも掲載されることになった。そんな風に、現在の自分は過去の自分とつながっている。そして他者とつながっている。そう考える私は、それほど愉快ではなかった20代の教員生活の中に、やはり、「今」の自分の根っこを確認する。

節目に振り返ることは、明日もブレずに前を見つめるためには大事なことだと思っている。「今」に追われるのは、「今」を大切にすることとは違う。

この学校ではじめて卒業させた6年生の子たちが、保護者として参加していて、久しぶりに会うことができた。この子たちとの経験が、後に6年生を担任したときの力にもなっている。また、今よりさらにメチャクチャだった私をあたたかく見守ってくれた大先輩の先生方にも会えた。「池ちゃん」と、当時の呼び名でやさしく声をかけていただいてちょっと恥ずかしかった。
by lastsalt | 2017-03-16 23:55 | Comments(0)