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by lastsalt

舛添さん問題の本質 その①


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舛添さん問題の本質は、屈折した特権意識だと思う。人は何かを得る為に何かを犠牲にする。そうした価値の交換という選択を重ねて人は自分のポジションを得る。大学の先生や評論家を経て、ようやく辿り着いたのが現在の地位だ。そして、このくらいは当たり前だという感覚で公の金を使った。

舛添さんが石原さんや猪瀬さんよりも、特に悪い奴だという印象はないが、今回、私が気になったのは「私はトップリーダーだ」という居直った彼のことばだ。激しく彼を追求する人々も含め、(全てではないにしても)どこの首長も議員も官僚も、概ね自分の特権は最大限利用して、小さい範囲では似たようなことをやっているものだ。

今回の事件の背景として、舛添さんがいかにエリートであったかが繰り返し報道されているのも興味深い。だからどうだって言うんだ。馬鹿の妬みか?それも多少はあるにせよ、要するに「どんな理屈をこねようが、偏差値小僧というのはこのレベルを越えない」ってことだ。こういう屈折したエリート意識が感覚を麻痺させる。これは舛添さんだけじゃない。

現在の日本においては、システムを仕切ろうとする連中は、50歳になっても60歳になっても、18歳の偏差値を引きずっている気がする。このエリート意識というのは、根拠なく恐ろしい。「昔やりたいことを我慢してたんだから、出来るようになったら思う存分やらせてよ」という感覚なのだろう。だから、金遣いもわかりやすすぎるくらい幼稚だ。
 
10代でちゃんと遊んで、人ときちんとつながることを怠っていたら、習字を書く時には中国服を着なければならなくなるということだ。賢いトップリーダーのお話は馬鹿な庶民には理解不能だ。結局彼が得たものよりも、失ったものの方がずっと大きいことは誰にでもわかる。自分は世の中の「上の方にいると思っている人たち」は、実は見下している人々が支えているのだ。その支えを外されたら落ちるしかないとなぜ気づかないのだろう。当たり前のことだが、人の好意や信頼は権力や金では買えない。

さらに、舛添さんが選んだ公正な第三者であるヤメ検弁護士2名による報告書の通り、今回の誰が見ても公私混同の過度な公金支出が「不適切ではあるが、違法性はない」のも事実であるということ。つまり政治資金の使い方に関する法律は「ないのも同然」で、その地位さえつけば誰でもやりたい放題だということ。つまり、鍵は舛添さん個人が悪い(勿論良くはないけど)ということではなく、もっと大きな政治システムや日本中に蔓延する学校的価値観にも起因するということだ。

集団リンチみたいに、舛添さんを叩くのはどうもなあ。ちょっと可哀想になってくる。みんなで辞めさせて、舛添さんが使い切れなかったさらに巨額の税金を投じて、また似たような違う奴を神輿に乗っけるための選挙をやるようだ。青島さん、石原さん、猪瀬さん、そして舛添さん・・・・。実に人材豊富な東京都。さすがニッポンの首都。


 
by lastsalt | 2016-06-16 20:38