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by lastsalt

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憲法98条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

憲法99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

7月15日の衆院の委員会で安保関連法案の強行採決、翌16日には本会議通過により、残念ながら、この法案は成立してしまうことになるだろう。

百歩ゆずって、集団的自衛権をめぐる意見はいろいろあって良いと思っている。日本が「普通の国」ではないことも事実だからだ。

しかし、今回の問題の本質は、集団的自衛権をどうとらえるかではなく、「民主主義の手続きを無視したこと」にある。

戦争放棄と戦力不保持を謳う憲法9条は,第2次世界で失った数えきれない尊尊い犠牲のうえに成り立っている。いろいろな矛盾や意見はあっても、「集団的自衛権を持たないこと」は、国民に選挙で選ばれた国会議員と政府が一体で30年以上積み上げ,国会での長年の議論を経て「風雪に耐えた」解釈でもある。それを一首相の個人的な野心や一内閣の判断で変えてしまってよいわけがない。

国際情勢の変化に伴い、どうしても、集団的自衛権を行使しなければ国民の命と財産を守れない状況が生まれるのであれば、その「共通の認識」のもとに、衆参両院での3分の2以上の賛成による改正案発議と国民投票での過半数の賛成という96条の手続に従い,憲法を改正するのが正しい手続きである。そして、その大切な手続きを憲法自体が保障している。

憲法の条文を改正する手続きを定める憲法96条は、憲法の中では他のすべての条文よりも高い位置にあると考えられている。しかし、安倍は集団的自衛権をゴリ押しするのに必要な国民の後押しが足りないことがわかると、この96条そのものを改正し、現行の3分の2から国会の2分の1の賛成で憲法改正を発議できるようにしたいと言い出した。それも難しいことがわかると、今度は、閣議決定で憲法解釈を変えて、法案を提出するに到った。そして、この強行採決である。耳を塞いで、一つ覚えのわかりやすい説明を繰り返す幼児的万能感に満たせれた危険なおぼっちゃまくん。これが私たちの国のリーダーである。

民主主義というのは、多数決によって間違った結論を出してしまうこともあるが、その手続きだけは絶対に外してはならなない。そして、多数決によって最終的な判断を下す前に、十分に議論を積み重ねることを大切にしなければならない。
by lastsalt | 2015-07-19 12:34