集団的自衛権を使えるようにすることは、近隣国の敵意が増していたずらに緊張状態をつくり出すだけで、専守防衛になっていない。「戦争以外の手段で国を守ること」が戦後の理想だったはずなのに、大手を振って「戦争ができる状態」に戻そうとしている。これがABEが言う「日本を取り戻す」という意味である。「積極的平和主義」は詭弁だ。それは、多少積極的ではあっても、決して平和にはつながらず、主義と言えるほどの理論体系もない。
オレンジの囚人服を着せられた日本人が世界に示されたことは、イスラム国は「日本も英米と同列に見なした」という表明である。犠牲は殺された2名に留まらない。こういう事態を招いたのは、どうしてだったのかをキチンと検証してABEに責任をとらせないのはなぜか。小学生を斧で惨殺するよりも遥かに重い罪だと思うのは私だけか?
事情をよく知らないまま、他人のけんかに無駄に首をつっこみ、国民全体を危険な状態に晒すリーダーを支持する国民は、この馬鹿なリーダー以上にイカれている。先の戦争で犠牲になった方々、そして戦後70年、この国の平和を守って来た人たちを葛藤もなく踏みにじる方向へと大きく舵をきったニッポン。これから、どこへ行くのだろう。
もちろん、彼一人が狂っているわけではない。彼の存在と行動を制御できない現在のニッポンのシステムと、ニッポンをこのように動かす勢力との関係を冷静に検証していくべきだろう。