小学校の教員になった教え子がいる。どうしているのか気になっていたが、彼から連絡があり一緒に夕食を食べた。
4年目に採用試験を突破。新採1年目は担任として苦労したようだ。彼は少しも飾らずに率直にそのことを打ち明け、同時にそんな自分を支えてくれた周りの先生方や子どもたちへの感謝のことばをのべていた。「僕は小学校のときのままです」
彼の元担任として、又、先輩教師として、どんなことばをかけてやればよかったのかはわからないが、私なりにあれこれ思うところを伝えた。
私も彼を励ますことによって励まされた。と言うより、私を目指して教員になった彼の存在そのものが私への励ましに思えた。
「小学校からの夢を叶えました。Salt先生との出会いあって今の自分がある」そう力強く語ってくれる彼のまなざしに耐えられる姿でいなければならない。
帰り際に、
「先生、バイクですか?」
「うん、去年免許とったばっかり」
これが、一番いかした会話だったかも知れない。