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by lastsalt

モンスター・ティーチャー


交換可能な部品でありたくないが、交換不可能な能力を発揮するわけにもいかない不自由なシステムの中で、それでも私は辛うじて自分の個性を失わず、感性を麻痺させずに、己を偽らずに生き抜いてきたという自負はある。

しかし、それが子どもたちや同僚にどれだけ伝わったかを振り返れば、心許ない限りである。所詮は「ちょっと変わった人」「わけのわからん先生」という程度であることはほぼ間違いない。そして、それはそれでいいと思っている。今更ボヤくほどのことでもない。

そんなことを軽く思いめぐらしながらネットを見ていると、内田樹のブログに面白いことが書いてあった。その記事を読んで、「私は言わばモンスター・ティーチャーなんだな~」と思った。私は子どもの頃から教師にとってはモンスターであり、その後所属することになるいかなる群れにおいてもイノベーターだった。

争いは嫌いで金儲けは下手だが、私は他の誰も持っていない多様な物差しを持っているし、私なりにいろんなモンスターの能力だって測れるし伸ばしてやれる。なるほど、改めて自分の今しばらくの存在価値を確認できたようで、ちょっと嬉しい気分になったぞ。


http://blog.tatsuru.com/〔内田樹の研究室〕

以下抜粋

「やりたいこと」に達するために、しぶしぶ迂回的に「やりたくないこと」を我慢してやるようなタイプの人間は、どのような分野においても「イノベーターになる」ことはできない。
これは自信を以て断言することができる。
ぜったいに・なれません。
ビジネスマンとして、あるいは政治家として、あるいは官僚として、小成することならできるだろう。
だが、「算盤を弾いて、『やりたくないこと』を今は我慢してやる」ことができるようなタイプの人間には「イノベーション」を担うことはできない。
そういうものである。
だから、ジョブスやザッカーバーグを「グローバル人材」のサクセスモデルとして示しておきながら、「『グローバル人材』になるために、先生の言うことを聞いて、学校の勉強をちゃんとやりましょう」と言ったって、それは無理なのである。
「グローバル人材」と「学校教育」の間には相関性がない。
ぜんぜん。
真にイノベーティブな才能は、論理的に言って、その才能の意味や価値を査定する度量衡そのものが「まだない」ものである。
そうである以上、「最もイノベーティブな子ども」は学校においては「能力計測不能」の「モンスター」としてしか登場しようがない。
でも、文科省や経産省の役人たちは「モンスター」については何も考えていない。何の指示も出していない。
だから、教師たちは「モンスター」が出現したきたら、青くなって潰しにかかるはずである。
もし、ほんとうに日本を救うような「グローバル人材」が欲しいと思っているなら、「モンスター」の取り扱いマニュアルを真剣に考えるべきなのだ。
元モンスターの大人だって、探せばそのへんにいるんだから、彼らをつかまえて、訊いてみればよい。
「あなたはどうやって学校教育で潰されることを免れて生き延びたのですか?」
たぶん、半数が「私、学校行かなかったから」。残り半数が「あ、私、帰国子女ですから」と答えるであろう。

by lastsalt | 2012-05-11 20:54