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coolでhot 大真面目に遊び半分 それがいつでも上機嫌になれる塩加減


by lastsalt

20年越し


20年前まで、私はけっこう真面目に詩なんてものを書いていた。詩集「生贄たちの墓標」の表紙には1988~1992と書かれている。

しばらくは全く歌詞が書けない時期もあり、当時のユニットの相棒がすべての歌詞を書いてくれていた。これ以降に作った詩は、すべて歌詞である。

詩は歌の歌詞とはまた別のリズムや音階を持って独自に存在するような気がしていたが、そんなこだわりもほとんど無くなった。昨今の歌詞はサウンド重視で意味は二の次という感じだが、私的にはやはり耳で聴いてことばがストンと心に落ちるような自然な歌詞がいいように思う。以前、笛の野田さんが、「風のメロジア」の丁寧なアルバム評をくださったとき、「詩と旋律がよく絡み合っている」と褒めてくださったのはけっこう嬉しかった。

確かに自分の中で納得のいく作品は、たいてい詩と旋律がほぼ同時に生まれている。

20年越し_a0208786_172041.jpg人が普通に話す場合でも、ことばとことばをつなぐ間や抑揚は大事で、伝えたいことの全体を構成する部分として、ひとつひとつのことばがバランスよく組み込まれている。だからマシーンのお姉さんがいくら綺麗な声で応対してくれても、生きている人間にはかなわないのだと思う。


普通に詩を朗読すればすむものをあえて、音楽にする以上はそれなりの必然が必要だ。

そんなことをあれこれ考えながら、今日もギターを弾いていた。何とも言えないやりきれない気持ちがこみ上げてきて、それにピタッとくる曲の流れが出来たが、ことばがどうしても乗っかってこない。何を言っても嘘くさいと思えたが、20年前に書いた詩のひとつがものすごくフィットすることに気づいた。

こういうのは20年越しの曲というのかな?
by lastsalt | 2011-09-23 17:20