人気ブログランキング | 話題のタグを見る

seasoned with salt lastsalt.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

coolでhot 大真面目に遊び半分 それがいつでも上機嫌になれる塩加減


by lastsalt

日本一豊かな村




りんごダディさんが、敦賀市の方々の意識の低さについて、驚きと嘆きをこめて書き込んでくださっているので、今日は、原発関連施設を誘致した自治体がどのように腐り果てていくかという例を日本一豊かな村の例から見てみよう。

青森県六ヶ所村は、日本一豊かな自治体と言ってもよい。1人当たりの村民所得は、2008年調べで1364万円。これは驚くような数字である。青森県の平均は237万円なので、5.76倍である。1人当たり所得には企業所得が含まれるので、単純に個人の所得水準を指すものではないが、それでも物凄い平均所得である。

再処理工場に先立ち、ウラン濃縮工場の建設が始まった1988年度には40億円程度だった村の予算は、2009年度には3倍以上の約130億円にまで増えている。まさに日本原燃サマサマなのである。日本原燃本社だけで300人近い村民を雇用。下請け企業を含めれば「家族の1人は原燃関係の仕事に就いている」と言われるほど。村予算の積立金も約80億円に達し、地方交付税交付金も受け取っていない。村長を始め、定数20名の村議会にも再処理工場に反対する議員は1人もいない。もはや村には、反対運動すら存在しない。

もちろん、心を痛めつつ暮らす方、激しい反対闘争に敗れ憂いをかかえつつひっそり暮らす方もおられるだろう。しかし、2010年6月の村長選では、反対派の候補者が立候補したが、3選を果たした古川村長の5106票に対し、わずか274票しか獲得できなかったというのが哀しい現実である。

村内には、原発マネーで作った立派な施設があちこちに立つ。大規模な農家への援助も手厚い。一般市民に対しても、年に一度は原燃社員が全戸訪問してタオルを配るなど、なかなかきめ細かい。そんなサービスが功を奏している。

「こんな田舎で、しかも格安の値段で小林幸子や八代亜紀のコンサートが見られるのも、原燃さんが補助してくれるお陰」という声も聞かれる。まるで新興宗教が信者を洗脳するように、村民の感覚を麻痺させ、自治体を丸ごと駄目にしてしまうのだ。
by lastsalt | 2011-09-14 21:28