振り返ったり、立ち止まったりすることもなく、半世紀を生きてきた。風来坊な性質に加え、転校続きの生い立ちもあり、愛校心も所属意識も薄い人間だった。
「他人は他人、オレはオレ」で生きて来た。空気は読めても、あえて気にしない。聖書でいうところの「旅人・寄留者」という教えが、さらにそうした傾向に拍車をかけた。
とは言え、私なりに友人は大切にしてきたつもりだ。
30や40を過ぎてからも、いろんな分野で活躍する友人に恵まれ、それぞれに忘れ難い思い出を得た。
一方で、日頃はそれほど交流のない同級生や同窓生とのつながりを、最近しみじみありがたいものに感じるようになった。
それは今までなかったわけではないが、年を経る毎に大きなものになってきたような気がする。
前回、大阪での集まりから帰ってきて、同窓会で感じたことをもとに曲を作った。「窓」とかいてreunionと読む。同窓会の窓である。学生時代は、授業がひどく退屈で、よく窓の外を見ていた。教室に窓があってよかった。
罰があたって教師になったが、今でも私は窓の外をボーっと見ている子を絶対に叱らない。
4.29のライブに同窓生がひとりでも来られたら、この歌を歌ってみようと思う。
「窓」〜reunion〜
懐かしい友と会い
酒を交わす
過ぎて来た時の重さ感じて
今を語り
明日を見つめ
静かに微笑む
あの頃は
同じ窓から
同じ色の
空を見ていた
美しい思い出を
たどりながら
忘れたしくじりを掘り起こす
今は全て
受け入れて
静かにはにかむ
同じ窓の
むこうには
あの時代の
風が吹いてた
あの頃は
同じ窓から
同じ色の
空を見ていた