毎年職務内容は校長に一任してきた。大抵は他のメンバーが希望しないいろんなポジションを与えていただいて、粛々とそれをこなしてきた。自分で選ばないこと、先走って主張しないことがカッコいいことだと思ってきた。しかし、そのおかげでする必要のない苦労もいっぱいしてきたような気もする。
「みっともなくても言ったもん勝ち」みたいなところはなくもない。出会いに当たり外れも損得も無い。辞めるまで「校長一任」は貫くつもりだが、口頭で希望をたずねていただいたので「出来れば、学校の片隅にいる変なオジさんというポジションがいいですね」とわけのわからない答えでお茶を濁した。
一任すると、どうしても仕事内容が重たくて結果的に目立ってしまったり、しっかりとやり甲斐のようなものが生じたりしてしまうのだが、私は仕事で自己実現も高い評価も望んでいないので、昔から心の中では閑職を希望しているのだ。不意に聞かれて不意に答えた「学校の片隅にいる変なおじさん」はかなり本音に近い。
閑職は、たぶん英語ではtrifling job 「冗談みたいな仕事」とも訳せる。そういうのないかな?