みなさんは、こんな奇妙な絵をご覧になったことはないだろうか?私が何を必死に訴えているのかわからない方もおられると思うので、ちょっとおせっかいな書き足しをしてみた。
この奇妙な絵は、以下のような指導法で描かれたものである。
つくった模様を、シャボン玉の形に切り取る。
切り取ったシャボン玉を、画用紙にのりで貼る。
このときに、シャボン玉が紙の端の方にならないようにする。
油性サインペンを用意して、シャボン玉を吹いているストローを描画する。
ストローを加えている唇を、上唇 → 下唇 の順に描く。
唇ができたら、「鼻 → 目 → 眉 → 顔の形 → 髪」 の順に描く。
ストローの横に、ストローをつまむ手を描く。
まんじゅうのような丸を描き、そこに指をつけていく感じで手を描く。
「掌(丸) → 親指 → 人差し指 → その他の指」の順に描く。
頭にくっつけて、
「胴体 → 石けん水の入ったコップ → コップを握る手 」と描き、最後に手と胴体を「長い線(腕)」でつなげる。
「シャボン玉を吹くぼく・わたし」の彩色
顔→手→服 の順に彩色する。色は自由。
「サインペンにさわらないように色をぬりなさい」という指示を出す。
「シャボン玉を吹く友だち」を描く
自分と同じような手順で、シャボン玉を吹いている友達を描く。
このとき大切なのは、「誰を描いているのか」をはっきりさせておくことである。
「これは○○さんです」とはっきり言わせる。
◯◯式というのは何種類かあって、◯◯メソッドと同じく、いずれも発案者の虚栄心を満たすために子どもを道具にしている点で私は何とも言えない嫌悪感を持っている。私の目には、嘘っぽい子どもらしさであさはかな大人を喜ばせるだけのだまし絵にしか見えない。この方法で描かせると、クラス全員が見事に同じ絵になる、これをスゴいと思う教師には何を言っても無駄なのだ。嘆かわしいほどに、こうしたものがもてはやされるのである。
幼児は花火だってシャボン玉だって、こんな風に描けるのに。