さらに、半沢ネタをもうひとつ。
アメリカン・プロレス並みのわかりやすさで、ベビーフェイスとヒールに分かれての対決。現代の水戸黄門などとも言われているらしいが、同じ勧善懲悪でも「半沢」は権威の側にはないので、立ち位置は水戸黄門とは真逆。この通常あり得ない下克上感覚がウケているのだろう。
半沢は大和田に「あなたが金の為に利用し、トカゲの尻尾として切った人々に対して土下座しろ」と言った。義憤を抱くのは大いに結構。しかし、人が自分の思い出や恨みを正義で覆い始めると危ない。「自殺した親父に詫びろ!」でよかったのだ。
この世で相手にされないようなヘタレ連中が、宗教で自己実現しようというのも似た心理だ。私はそういう人たちとは極力つき合わないようにしているが、彼らも私は苦手なので、最近は近寄っても来ない。
人は何を好み、何を支持するのか、私はいつもそういうことを面白がっているだけ。